今年もいよいよ確定申告の時期が近づいてきましたね。
一年の垢を落とす・・・じゃなく、一年間で払いすぎた税金を取り戻すチャンスがやって来ました。(笑)
毎年、山積みの医療費の領収書を見ながら考えることがあります。
もっと工夫したら、もっと上手にしたら医療費控除で取り戻せる税金を増やすことが出来るかもしれないのにな・・・と。
「医療費控除」は、とてもよく知られていて、でも実はあまり知られていない、そんな不思議な制度かもしれません。
【1】まとめてますか?
確定申告の時期になりますと、こんな話をよく耳にします。
『今年は医療費が10万円に満たなかったので、医療費控除はありません。』
そうなんですか・・・。と言いかけて少し躊躇します。
確かに年間で10万円を超える医療費を支出するとなると、それなりに大変です。
例えば、大きな怪我をして通院したとか、入院したとか、出産があったとか・・・
何か特別な事情がある場合は別として、普段から健康な方ですと、苦労して領収書をかき集めてみたものの・・・おっと残念! あと数千円足りなかった。 なんてことはよくある話です。
でもここで一つ疑問が生じます。
いったい、誰の分の領収書を集計したのだろう・・・。
ご夫婦の領収書はみなさん合算されています。小さなお子様の領収書も合算されています。
理由は、「家族」だから。
そうです。家族なんです。でも、医療費控除でまとめることの出来るご家族の範囲は?と聞かれると、答えはなかなか難しいですね。
医療費控除ではその範囲をこう規定しています。
「 自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために ・・」
ここでのキーワードは「生計を一にする」と「親族」のふたつです。
「生計を一にする」とは、 「日常生活で使うお金を同じにしている」 「生活するうえでお財布が同じ」ということです。
「親族」とは、6親等内の血族、3親等内の姻族、つまりは叔父・叔母、従兄弟などを含めた相当範囲の広い血縁(婚姻)関係者です。
よく勘違いされるのは、「同居」していないからとか、「扶養」していないからという理由で医療費が合算出来ないのではないかという点です。
でも実は、先でのお話のように「同居」や「扶養」はそもそも要件とはされていないのです。
つまり、進学や就労のために離れて暮らすご家族でも仕送りなどで生計を一つにしていれば合算することが出来ますし、収入金額の関係で扶養から外れてしまったご家族でも生計を一つにしていれば、合算することが可能です。
特にお子様の場合、就職して収入が発生するようになると扶養からも外れ、医療費控除も別扱いみたいに思えてしまいます。
でも、考えてみてください。
共働きのご夫婦も多いかと思います。
例えばご主人の扶養の範囲内でパート勤めをなされている奥様の場合はもちろんのこと、ご夫婦ともに正社員としてバリバリ働いているご夫婦だって医療費は合算することが出来ます。
そこにはどちらか一方が他方の配偶者(特別)控除を受けているかどうかなんて扶養の要件はどこにもありません。ですから、お子様やご両親の場合だって同じなのです。
誰かの分の医療費を合算できないかを考えてみる。
たったそれだけで、これまでよりもお得な「医療費控除」を受けられるかもしれませんよ。
昨年話題になった「万引家族」ならぬ、「同一生計家族」。
医療費控除を有効に活用するための最初のポイントです。
次回も「医療費控除」をもっと有効に使って頂けるお話をさせて頂きたいと思います。
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